促拍滿路花・昏灯醉眼憶青青 一地清愁
薄晩窗前立,看陣陣西風。斷枝殘葉作悲聲。添衣呵手,怕曳影階庭。新詞君又問,怎奈懷思倦倦,擇字庸平。
算人間數十載,一夢是一生。昏燈醉眼憶靑靑。寒來暑往,拾不起凋零。念我蛾眉痩,念我多心,莫説那日曾經。
薄晩窗前立,看陣陣西風。斷枝殘葉作悲聲。添衣呵手,怕曳影階庭。新詞君又問,怎奈懷思倦倦,擇字庸平。
算人間數十載,一夢是一生。昏燈醉眼憶靑靑。寒來暑往,拾不起凋零。念我蛾眉痩,念我多心,莫説那日曾經。
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私は一地清愁さんの詞が好きで、学ぶこと、とても多いのだが、昨日の傑作には度肝を抜かれた。
詩の中で典故をどう扱うかで、清愁さんの技巧は空前絶後、この世のものとは思えず、まさに神工といって過言でない。
詩の中で典故をどう扱うかで、清愁さんの技巧は空前絶後、この世のものとは思えず、まさに神工といって過言でない。
醉花陰・暫且吟平仄 一地清愁
看有窗前閑葉過,小院著秋色。舒袖倚斜陽,又是淸風,又是偏西落。
新詞寫在菊花册,箋字香逐個。尚有六分晴,暫且題愁,暫且吟平仄。
醉花陰 詞譜・雙調52字,前後段各五句,三仄韻 毛滂
中仄中平平仄仄(韵),中仄平平仄(韵)。中仄仄平平,中仄平平,中仄平平仄(韵)。
中平中仄平平仄(韵),中仄平平仄(韵)。中仄仄平平,中仄平平,中仄平平仄(韵)。
看れば窗前に閑葉の過ぐるあり,
小院 秋色を著(つ)く。
袖を舒(の)ばして斜陽に倚(よ)れば,
又これ淸風,
又これ偏西に落つ。
新詞 寫(かIけり 菊花の册に,
箋の字の香り 逐個(ひとつ またひとつ)。
なほあり六分の晴れ,
暫且(しばらく)愁ひを題とし,
暫且(しばらく)平仄を吟ず。
一地清愁さんの詞にはたびたび驚かされる。
この『醉花陰』もその一つ。
近体詩(絶句・律詩)には同字重複を避ける、という詩法があるが、詞は詩にくらべ柔軟。
そこで、疊字・疊句少なからずだが、その暫且題愁,暫且吟平仄。・疊句は、おおむね右詰め。私は左詰めのそれをみたことがない。
しかし、一地清愁さんの『醉花陰』は左詰め。前後段の末二句にそれがある。
又是・・,又是・・・。
暫且・・,暫且・・・。
この疊字は、それに続く二字にかかり、また三字にかかることが新鮮。
上掲二句の末句で一字が増えることで、詞の前後段が収束し、余韻を留める効果がある。
『醉花陰』、私の経験では最後の五四五をどう詠めばいいかが難しく、詠みにくい。
そこで、末二句を四+五の九字句のつもりで詠んでお茶を濁したが、清愁さんの疊字は、それに勝る句法であると思う。脱帽。
看有窗前閑葉過,小院著秋色。舒袖倚斜陽,又是淸風,又是偏西落。
新詞寫在菊花册,箋字香逐個。尚有六分晴,暫且題愁,暫且吟平仄。
醉花陰 詞譜・雙調52字,前後段各五句,三仄韻 毛滂
中仄中平平仄仄(韵),中仄平平仄(韵)。中仄仄平平,中仄平平,中仄平平仄(韵)。
中平中仄平平仄(韵),中仄平平仄(韵)。中仄仄平平,中仄平平,中仄平平仄(韵)。
看れば窗前に閑葉の過ぐるあり,
小院 秋色を著(つ)く。
袖を舒(の)ばして斜陽に倚(よ)れば,
又これ淸風,
又これ偏西に落つ。
新詞 寫(かIけり 菊花の册に,
箋の字の香り 逐個(ひとつ またひとつ)。
なほあり六分の晴れ,
暫且(しばらく)愁ひを題とし,
暫且(しばらく)平仄を吟ず。
一地清愁さんの詞にはたびたび驚かされる。
この『醉花陰』もその一つ。
近体詩(絶句・律詩)には同字重複を避ける、という詩法があるが、詞は詩にくらべ柔軟。
そこで、疊字・疊句少なからずだが、その暫且題愁,暫且吟平仄。・疊句は、おおむね右詰め。私は左詰めのそれをみたことがない。
しかし、一地清愁さんの『醉花陰』は左詰め。前後段の末二句にそれがある。
又是・・,又是・・・。
暫且・・,暫且・・・。
この疊字は、それに続く二字にかかり、また三字にかかることが新鮮。
上掲二句の末句で一字が増えることで、詞の前後段が収束し、余韻を留める効果がある。
『醉花陰』、私の経験では最後の五四五をどう詠めばいいかが難しく、詠みにくい。
そこで、末二句を四+五の九字句のつもりで詠んでお茶を濁したが、清愁さんの疊字は、それに勝る句法であると思う。脱帽。
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