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促拍滿路花・昏灯醉眼憶青青  一地清愁

  薄晩窗前立,看陣陣西風。斷枝殘葉作悲聲。添衣呵手,怕曳影階庭。新詞君又問,怎奈懷思倦倦,擇字庸平。
  算人間數十載,一夢是一生。昏燈醉眼憶靑靑。寒來暑往,拾不起凋零。念我蛾眉痩,念我多心,莫説那日曾經。



    薄晩 窗の前に立ち,
    看(み)ゆ 陣陣たる西風のあるを。
    斷枝殘葉 悲聲をなすを。
    衣を添えて手を呵し,
    怕(こわごわ)階庭に影を曳く。
    新詞 君また問へり,
    懷しき思ひの倦倦たるを怎奈(いかん)せんと,
    擇(えら)びし字は庸平(平凡)。

    算(かぞ)えらば人間に數十載,
    一夢これ一生。
    昏燈(暗い灯火)あり 醉眼あり 靑靑たるを憶(なつか)しむ。
    寒 來たりて暑は往(い)き,
    拾へずして凋零す。
    我が蛾眉の痩するを念(おも)ひ,
    念ふ 我に心多くも,
    那日(あの頃)の曾經(こと)を説(い)ふなかれと。

 この作品、婉約にして伺い知るばかりできちんと読み下せているかどうかだが、どこが嬉しいかというと、領字が用いられていること。
 『促拍滿路花』を詠むにあたって、古人が領字を用いたという例を、私は知らない。寡聞かも知れないが、私は知らない。

 そこで、

   看陣陣西風の看、
   怕曳影階庭の怕、
   算人間數十載の算、
   拾不起凋零の拾、
   念我蛾眉瘦の念

 これらの領字は清愁さんの獨創と思えるのだ。
 領字は90字以上の長調ではよく用いられているが、89字以下の中令では用いられている例は、私の記憶にない。
 だから、清愁さんが、中令でも領字を用いることができる、ということを作品で示してくれたことが、とても嬉しい。

 詞は千年前が最盛期だったジャンル。しかし千年を経た現代でも、なお新しい試みが可能だということが、とても嬉しい。

 清愁さんは現代の李清照、という言葉をたびたび聞く。
 清愁さんの詞の斬新さ、それはまさしく、宋代の清照の生まれ変わり、と思える。
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